『 Historia 』 Manuel Valera Trio 0:34:49
『 Live At The House Of Tribes 』 Wynton Marsalis 0:45:52

0:34:49 Usen C50 2005年10月24日2枚目 『 Historia 』
1 Oeste(06分28秒)
2 Trio #10(07分07秒)
3 Adios A Cuba(06分22秒)
4 April(06分42秒)
5 La Fragua(08分10秒)
ジャンル:   ジャズ
フォーマット:   CD
組み枚数:   1
発売日:   2005年07月23日
カタログNo:   FSNT227
レーベル:   Fresh Sound
発売国:   Spain

気鋭のキューバ人ピアニストによる情熱的かつ美しいトリオ作品。ゲスト・サックスにシーマス・ブレイクが参加したハード・バップなトラックも必聴。

sax奏者としてパキート・デリヴェラのグループに参加していたこともある個性的ピアニストの一編。NYC録音。編成はトリオを基本に、2曲ではS・ブレイクも加わる。曲はオリジナル中心。思索性を孕んだクール&スマートそしてちょっとミステリアスなビタースウィート風味のリリシズム描出と、アグレッシヴな熱情的ダイナミズム表現、をバランスよく並立させた(前者に軸足あり)、新主流派の正統らしい凛然たる快演が中々歯切れよく滑脱に展開してゆく好内容である。一定の詩的情緒性を基底に保ち、スタンスも堅固に安定した、ほぼ一貫して沈着な余裕っぽさと美学性を絶やさない流麗敏活な行き方が続き、ビート・パターンも様々に変わる起伏メリハリ充分のリズミックな空間形成の中で、主役pの、アンニュイ&メランコリックな憂愁的詩情に富んだ端麗フレージング〜濃やかなメロディストぶりに瑞々しい妙味を発揮しながら、しかし甘さに流されることなく厚みある鋭角なパーカッシヴ・タッチを強調した殺陣アクション風の力学攻勢も随所に頻々と挿入し、ピリッとした緊張感を維持してゆくその、巧まず緩急の均衡のとれた精悍でスタイリッシュな語り口が頼もしげに冴え渡っている。そうした、抑えの利いたハードボイルドめのストーリーテリングの毅然さで魅了する一方、一転して明快でストレートな歌謡性並びに甘美なロマンティシズムを全開させたバラードやラテン〜サンバ調、辺りの豊潤さ・柔和さにも得難い旨味があり、またS・ブレイクの奔放でエモーショナルな流線的アクション・ブローイングも実に鮮烈に香辛味的アクセントを成してインパクト大。今日流モード・ジャズのオーソドキシーに徹した良質作。

Oeste,Trio #10,Adios A Cuba,Malecon,La Felicidad,Dos Gardenias,Amapola他全11曲収録

Manuel Valera(p)Ben Street(b)Antonio Sanchez(ds)Seamus Blake(sax on 2tunes)